僕のはじめての常連さん

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春のうららかな風が吹くこの季節。

それは、出会いと別れの季節でもあります。

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僕がお店を開いて間もない頃、毎日が怒涛の様に過ぎ、不安と疲れや葛藤が混じり合って、深く眉間の皺に刻まれようとしていたあの頃、一人のお客様と出会いました。そのお客様は、あの忌まわしい震災の被災地、石巻から転勤されて来た方で最初はこれといって話す事もなく、よくお顔を拝見するお客様。という間柄でした。

ある日、そのお客様が僕に飯でも食べに行こう。と誘ってくれました。多分、今思い起こしてみれば僕の顔をみて連れ出してくれたのだと思います。

 

その日は、地震の事や仕事、家族の話、とりわけ地震の話はショッキングでした。僕の知る話とは遠くかけ離れた真実。そんな話を時折ジョークを交えながら話す姿に僕は、親近感というか、安心感というか、とにかく元気づけられました。不思議と。

それからは、軽口をたたいては冗談を言いあう気のしれた友人になりました。歳はだいぶ離れてましたが、気が合ったのでしょう。

そんな、僕のはじめての常連さんが、先日転勤されました。お別れの日に僕は年甲斐もなく涙がでました。その方は、僕と社会を交えてくれたのです。最後にその方がいつも笑顔でいなさい。と言いました。君には笑顔がよく似合うよ。と。その言葉は今の僕の糧になっています。

笑顔は次の素敵な出会いを産むのです。

 

きっと。

つけ蕎麦 四瀬 > https://clip-magazine.com/yotsuse

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